英語のリスニングはなかなかすぐには結果がでません。
いつまで経っても何を言ってるのかわからなくて焦りますよね。
僕も留学中に半年たっても周りの人が何言ってるかわかりませんでした…
でも大丈夫。
リスニングも効果的に学習すればだんだんわかるようになります。
しかし間違った方法ではなかなか聞こえるようにはなりません。
今回はおちいりがちな間違いについてお話します。
聞き流すだけでは聞こえるようにならない
昔寝ながら聞いてるだけでリスニングが上達する!(※個人差があります)っていう夢のような教材がありましたよね。
質のいい教材を沢山聞くことで耳は慣れるのですが、残念ながら聞き流すだけ、ましては寝ながら聞くだけでは学習効果はありません。
人間が学習するときには目的をもって考えながら聞かないと学習効果はありません。
たとえばラジオやテレビも聞くつもりがあって聞いていれば、集中してなくてもそれなりに頭に入ってきます。
本を読んだり、ゲームをしたり別のことをしながらテレビがついていても、BGMにしかならず全く耳に残りませんよね。
リスニングを鍛えたければ、考えながら聞くことが重要です。
集中して何回聞いても聞こえるようにはならない
では集中して聞けば聞こえるようになるか。
これも集中するだけでは聞こえるようになりません。
聞こえない理由は主に5つあります。
知らない単語である
知ってる単語だけど自分の思っている音と違う
知っている単語だけど、文の中で音が変化している
完璧に聞き取れたけど、文法が分からないから意味が分からない
話者の発音が悪い
知らない単語である
知らない単語は聞き取りにくいです。またはたとえ音が聞き取れても意味が分からないため自信が持てません。
ただし聞き取れないのが一語であればまだチャンスはあります。前後の文脈から意味が推測できるからです。
しかし次のような場合はどうでしょうか?
I went to ○○ with □□ by △△ yesterday.
仮にこの一文の中で3つの単語が分からなかったらもはやお手上げです。
これはリスニングの問題ではなく語彙力の問題ですので語彙力を強化しないといくら聞いても聞こえるようにはなりません。
しかし一語だけなら
I went to AEON with □□ by car yesterday.
昨日イオンに誰かと一緒に車で行ったんだな。ぐらいは分かりますよね。
ここまでわかると、誰か=「人の名前」もしくは「両親や彼氏・彼女などの名詞」が来ることが予測されます。そこまで予測できれば何となく聞き取れると思います。
そのようにリスニングは考えながら聞くことが大事です。
自分の知ってる音と違う
受験などで短期間で必死に単語を覚えると、発音を間違って覚えてしまう場合があります。
読み書きはそれでもいいのですが、実際に話す聞くという場面になると、その間違った知識が問題になります。
せっかく知っている単語が話されていても、発音を間違って覚えていたら聞き取ることは出来ません。
たとえば
自由の女神 = Statue of Liberty
カタカナ表記では完全に表せませんが「スタチューオブリバティ」のようになります。
これを「ステーチューオブリベルティ」のように覚えていたらどうでしょうか?
ネイティブスピーカーが正しい発音で「スタチューオブリバティ」と話していても、自分の知ってる「ステーチューオブリベルティ」とは違うので結果「自由の女神」の話をしているということに気づくことができません。
これはもったいないので単語を覚える時は音声付きの教材を使用し、音声を聞きながら覚えましょう。
知っている単語だけど、文の中で音が変化している
英語の難しいところは単語で読むときと、文の中で読むときとでは音が変化することがあるということです。
don’t turn it on
これもカタカナでは表しにくいのですが、あえて書きます。
一語一語ハッキリ読むと「ドントターンイットオン」のようになりますが
実際は「ドンターニトーン」のようになります。
これはリエゾンやリンキングと言われるもので、話し言葉では話しやすいように音を省略されるのです。
これには細かい法則がありますが、あまり細かいルールを勉強するのはおすすめしません。これは文法的に理解するよりも、実際に話されている音をまねることで習得したほうが楽です。
こういった音のつながりはネイティブスピーカーの話し方を真似する訓練「シャドーイング」や「オーバーラッピング」で身に着けることが出来ます。
完璧に聞き取れたけど、文法や熟語が分からないから意味が分からない
英語は話者にもよりますが、日常会話は簡単な言葉の組み合わせで話されています。
それぞれの単語を聞き取るのは難しくないのですが、組み合わせ次第で色々違った意味になってしまうのが難しいですよね。
せっかく聞き取れたと思ったのに意味がパッと思い浮かばない。
例えば
I will make up for the date.
という文章。単語は全部簡単ですよね。
でも「デートのためにお化粧をするよ」という意味だと思った人も多いのではないでしょうか?
make up にはお化粧をすると言う意味ももちろんあります。ただ名詞ならmakeupやmake-upのように使われることが多いですし、動詞だとmake (oneself) upのように使われます。
しかしここでの意味はお化粧ではありません。
make up for には埋め合わせをするという意味がありますので
「デートの埋め合わせはするよ」という意味になります。
話者の発音が悪い(訛りや独特の文法がある)
英語は世界の共通言語ですので色々な訛りがあります。また必ずしもすべての人が正しい文法で話しているわけではありません。
どうしても聞き取れない場合は、相手の発音が間違っている場合もあります。
その地域や国独特の訛りでしたら、ある程度慣れることで聞き取れるようになるかもしれません。
例えばオセアニア地域でmateを「メイト」ではなく「マイト」というように読む場合です。これにはある程度ルールがありますので慣れれば大丈夫です。
また中国語の影響を受けている地域の英語などは短く途切れるようなリズムで話されます。東南アジアやインドの英語なども独特のリズムがあります。
のあたりは英語が第一言語ではない国ですので、文法も間違っているもしくは異なっている可能性もあります。
例えばシンガポールのシングリッシュには立派なシングリッシュ文法があります。たとえばbe動詞を省略するとか文末の子音を発音しないとかです。これは正式な英語の文法なら間違いですが、シンガポールではみんながそうするのでOKなのです。
文法というのはそもそも初めに言葉があって、そこから導きだされた規則ですので、間違いも多くの人が使っているならそれが文法になってしまったりもするのです。
英語は世界語ですから、むしろネイティブスピーカーで綺麗で完璧な英語を話す人の方が少ないと思ってください。
自分が仕事で話す英語はもちろん聞き取りやすくきれいなものがいいです。そうしないと知識階級にはばかにされてしまうかもしれません。
しかし聞き取る側のときには「あなたの英語は間違ってるから聞き取れない」というのは失礼です。
どんな強い訛りにも対応できるようにしておくといいと思います。とても難しい事ですが。
意味の理解が追い付かずにあせって集中できない
色々な理由で聞き取れない単語があると、そこが気になってしまって集中できなくなってしまうことがあります。
聞き取れない単語があると前後の文脈から推測をしなければいけません。
その時に脳はフル回転しています。
考え事をしながら次に流れてくる音声も聞き取るわけですから、どんどん頭が疲れてきます。
そしてふと気づくと、全然集中できなくて問題を聞き逃してしまったということになります。
実際は耳からは聞こえているのですが、脳がついて行っていないので何も頭に残っていない状態です。
このような場合は聞き取れないものは仕方ないので、そこにあまり切っかかり過ぎないようにして気持ちを切り替えることが大事です。
頭が冷静で有れば理解できていたはずの内容が、焦ってしまったために聞き取れなかったというのはもったいないです。
次から次へと流れてくる文章で、できるところからまず理解するようにしましょう。理解できる分が増えることで、理解できなかった文も「こんなことを言っていたんじゃないか?」と推測しやすくなります。
集中力を高めるには、焦らずに落ち着くことが大事です。
実力試しばかりしている
リスニングの訓練は新しい音声を聞いてばかりではなかなか聞こえるようにはなりません。
聞こえなかった音を特定して覚えるという作業も大事です。これをやっておくと次に同じ音が出てきたときに聞こえるようになっているはずです。
初中級の学習者の場合は電車の中で毎朝ニュースを聞き流して、実力試しをして一喜一憂するのではなかなか上達しません。
聞いた後にちゃんとスクリプトや字幕を確認して、文字でも確認して覚えます。
文字でわからないものは当然話されてもわかりません。
この分からない単語を調べて理解していくという地道な作業の繰り返しで、だんだんわからない単語が減っていくのです。
毎日どれだけの学習時間を取れるのかは変わりませんが、最低でも以下のルーティーンはこなしましょう。
聞き取り1回目
スクリプト確認
オーバーラッピング
シャドーイング
聞き取り2回目
これだけやっておけば2回目にはバッチリ聞こえるはずです。
時間があまりなければ1~3分程度の文章を選びましょう。15分の音声を1回聞くより1~3分の音声を丁寧に見ていく方が効果が高いです。
最低3か月は集中してやってみてください。進歩を感じると思います。
しかしそれで終わりではありません。
これは英語のプロになっても毎日繰り返している人も多いです。
まとめ
リスニングは聞き流すだけでは聞こえるようにならない。
考えながら聞くことで効果はあがるが、知らない単語は繰り返し聞いてわからない。
知らなかった単語は調べて覚えるという地道な作業も必要。
何故聞こえないのか、その理由も考えながら聞きそれを改善していくことで
徐々に聞こえる単語も増えてくる。
ではでは See you next time!!!